(函谷鉾お囃子)
7月の三連休を、ふるさとで過ごしました。
今、京都の街中は、祇園祭の真っ最中です。
祇園祭は、7月1日の「吉符入り」から31日の疫神社「夏越祓」まで、1カ月の長期間に渡って執り行われます。
その中でもハイライトは、7月14日から16日の宵々山・宵山と、17日の山鉾巡行。
四条河原町から新町御池までを、23基の山鉾が、人力でゆっくりと進みます。
京都を離れて10数年、度々帰省はするものの、この時期に合わせての京入りは本当に久しぶりでした。
京都で暮らしていたころは、京都中央信用金庫に勤めていました。
本店は四条烏丸にあり、祇園祭の時期には、本社ビル前に函谷鉾(かんこぼこ)が立ち、職員総出で厄除け粽(ちまき)を作ったり、近隣店舗の男性職員が鉾の引手に駆り出されていました。
私の配属店は御池支店、京都市役所の真正面に位置していました。
御池支店では、配属された職員はまず、寺町御池界隈の呉服店に連れていかれます。
一人一人に浴衣をあつらえるのです。
祇園祭の時期は、制服に代えて、そのあつらえてもらった浴衣を着て営業します。
しかしながら、浴衣というものは、洋服に慣れてしまった現代人には、大変不便。
袖はひらひらするし、小股でちょこちょことしか歩けないし、下駄に素足で椅子に小指をぶつけるし(涙目)…
当時は、お祭りということで確かに気分は華やいでいたものの、「やり辛くて仕方ない」と感じていました。
でも、今、思い起こしてみれば、とても貴重な経験だったと思います。
お取引先は、御池・四条周辺の会社が多く、祇園祭は地元のお祭りです。仕事を通して、身近に京都の風情を感じることができるというのは、この地ならではのことでした。
御池支店の店舗前の交差点では、山鉾巡行の中でも最大の見せ場、「辻回し」が行われます。
直進しかできない鉾を直角に方向転換するために、車輪の下に青竹を敷き詰め、水をかけながら滑らせます。
同じ店の同僚が引手として参加していることもあり、お店の仕事はそっちのけで飛び出していった記憶がありますが、
あの頃は…良い時代だったなと思います。
そんな懐かしい想い出にひたりながら、辻々に立つ宵々山の山鉾を見て回りました。
しかし、それにしても、暑い!
京都の暑さは、静岡の暑さと種類が違います。
空気の密度が濃い…とにかく湿気が高く息苦しい、立っているだけで、じわりと汗が滲んできます。
日中38度を超えた空気は、夜になってもなかなか冷えません。
それでも、ビルの谷間を時折吹き抜ける夜風が、暑さ疲れの体に、ほっと一呼吸の休息をもたらしてくれました。
山鉾が都大路を巡行し、厄を集め、すぐさま解体されることによって厄払いが終わるとされています。
「コンコンチキチキン」というお囃子は、鉾によって違うそうです。
聞き比べるのも一興ですね!
ぜひ、暑い京都へ、おこしやす