制度融資は3種類
創業者が受けることができる創業融資には、主に次の3つがあります。
それぞれの概要を見ていきましょう。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫は100%政府出資の金融機関です。貸出条件は民間金融機関よりも比較的緩く、積極的な貸し付けを行っています。
日本政策金融公庫の創業融資の特徴としては
<日本政策金融公庫の制度融資の特徴>
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※据置期間については厳しい適用条件があるため最長期間2年の適用は難しく、一概には言えませんが6ヶ月、長くて1年という傾向にあります。
日本政策金融公庫の創業融資としては、次の種類があります。
信用保証協会の創業保証制度
信用保証協会とは、中小企業あるいは個人事業者の方々が金融機関から事業資金の融資を受ける際、公的な保証人となって借入を容易にする機関です。全国各都道府県にありますが、各保証協会によって保証条件が若干異なることがありますので、支援を検討する際は、創業予定地の保証協会に確認が必要です。信用保証協会の保証付き融資について仮に返済が滞った場合、保証協会が借主に代わって金融機関に返済(代位弁済)します。ただし、借主は債務が免除された訳ではなく、その後は保証協会に対して債務を負うことになります。
日本政策金融公庫と信用保証協会の違い
日本政策金融公庫は直接融資を行います。対して信用保証協会は直接融資は行いません。保証協会は公的な保証人となるのみで、保証協会付融資を実際に行うのは民間金融機関です。
保証協会付融資については、民間金融機関に対する利息以外に、信用保証協会に対する保証料を払う必要があります。ですから金利を比べる際には、保証協会付融資は借入利率プラス保証料率の合計率で比較する必要があります。
融資実行までの期間は日本政策金融公庫が1か月弱、信用保証付き融資は2ヶ月程度と、公庫の方が比較的早く融資が受けられます。信用保証協会の制度融資は、都道府県・民間金融機関・信用保証協会と、複数の機関を通って審査を受けなければならないため、実際に融資が実行されるまでに時間がかかるのです。
民間金融機関のプロパー融資
民間金融機関が直接審査を行って実行する融資です。銀行が直接行うだけに、財務状況・事業計画など審査条件は厳しくなりますので、新規開業者が創業資金としてプロパー融資を受けることは非常に難しいと言えます。
通常、創業融資を検討する場合には、日本政策金融公庫の創業融資か信用保証協会の創業保証制度かのいずれかを選択することになるでしょう。